ポジションを建てる


ポジションを建てる時は原則的に下記の順番で行います。

① コール買いのポジションを建てる。
② 上記ポジションのデルタをニュートラルにするための、スポットもしくはフォワードFXの (売り) ポジションを建てる。
③ プット売りのポジションを建てる。
④ ネットデルタをニュートラルにするための、スポットもしくはフォワードFXの (売り) ポジションを追加する。

上記の順番で行うことを推奨するのは、明確な理由があります。
原則的にポジションを組成するタイミングは、相場が落ち着いている状態 (指標の発表時刻などは避ける) が理想です。
仮にコールの買いポジションを建てた直後に大きくレートが下落したとしても、ヘッジが掛かっているため損失は限定されます。また、インプライドボラティリティの増大を伴う下落であれば、ベガが作用することで損失は軽減されます。逆にレートが上昇した場合、ガンマの増大を伴いながら利益が発生することになります。② の完了後は (ポジティブガンマであるため) 、レートが大きく変動した場合に方向性に関係なく利益を得ることができます。
③ と ④ のどちらを先に行うかについてはリスクの取り方によります。
③ を先に行えば、ガンマとベガのリスクを先に除外できますが、④ を完了するまでの間はスポット (の買い) のみを保有している場合と同じリスクにさらされることになります。
④ を先に行う場合、一時的にデルタをマイナスに傾けた上でプット買いと同様の状態とする必要があるため、③ が完了するまでは相場の上昇で損失が発生することになりますが 、ヘッジが掛かっているため損失は限定されます。逆にレートが下落した場合はガンマの増大を伴いながら利益が発生することになります。インプライドボラティリティの増大を伴う下落であれば、ベガが作用することでさらに利益は大きくなります。
いずれにしても、相場の方向性を予想しないで済む取引を目標とするならば
「 ① → ② 」の取引、「 ③ → ④ (もしくは ④ → ③ )」の取引はそれぞれセットで行う必要があり、常にデルタニュートラルの状態を維持しなければなりません。
プロの現場では通貨オプション単体で取引するのではなく、オプションの売買と同時にデルタ分のスポット取引を同時に行う 「ウイズ・デルタ取引」 が主で、通常断りのない限り、ATMストラドルの売買を行うことになります。

なお、サクソバンク証券では 「ウイズ・デルタ取引」 のサービスは提供していないため、手動によるオペレーションで対処する必要があります。これについては実際に操作の経験を積み重ねることでスキルを上げるしかないのですが、少しばかり工夫の余地が無いこともありません。
具体的な方法についてはブログで取引例と共に公開する予定です。